この記事でわかること

  • DNSレコードとは何か
  • A・AAAA・CNAME・MX・TXT・NSの各レコードの役割
  • DNSの設定を変えるときに、控え・反映・片付け・戻し方で気をつけること

独自ドメインでサイトやメールを使うときは、DNSの設定画面でレコードを足したり変えたりします。画面には英字の種類が並び、どれが何を決めているのか分かりにくいことがあります。この記事では、よく使うレコードの役割と、変えるときの注意を紹介します。

用語と仕組みは、JPRS(株式会社日本レジストリサービス)の用語辞典で確かめた内容だけを書きます。事業者ごとの設定画面や、入れる具体的な値は書きません。値は、使うサービスの案内に書かれているものを使います。

DNSレコードとは

JPRSの用語辞典では、リソースレコードを、DNSでドメイン名に関連付けられた情報と説明しています。単に「レコード」とも呼ばれ、さまざまな種類があり、それぞれに役割と記述のルールが決められています。

1つのドメインに、サイトのためのレコード、メールのためのレコードなど、目的の違うレコードがいくつも並びます。設定を変えるときは、どのレコードが何のためにあるのかを先に確かめます。

先に結論: よく使う6つのレコード

先に結論を書くと、サイトの向け先はAとCNAME、メールの受け取り先はMX、送信の認証などはTXT、DNSを管理する所はNSで決まります。 変えるときは、今の設定を控えてから、1つずつ変えます。

レコード 決めること
A IPv4アドレス
AAAA IPv6アドレス
CNAME 別名の正式名
MX メールの配送先
TXT 任意の文字列
NS 権威サーバー

AレコードとAAAAレコード

Aレコードは、ドメイン名に対するIPv4アドレスを指定するレコードです。AAAAレコードは、ドメイン名に対するIPv6アドレスを指定します。JPRSの用語辞典では、どちらも同じドメイン名に対して複数書くことができると説明しています。

サイトを置くサーバーを変えるときは、多くの場合、このレコードのアドレスを新しいサーバーのものに変えます。サーバーの引っ越しの流れは、WordPressのサイトを別のサーバーへ移転する前の確認で紹介しています。

CNAMEレコード

CNAMEレコードは、別名に対する正式名を指定するレコードです。JPRSの用語辞典では、名前解決でCNAMEレコードが見つかると、ドメイン名を正式名に置き換えて名前解決を続けると説明しています。

また、ある別名に対する正式名は常に1つなので、1つの別名に正式名を2つ以上指定することはできません。現在は主に、コンテンツ配信のサービス(CDN)などで使われているとしています。外部のサービスを使うとき、案内で「CNAMEを設定してください」と求められることがあるのはこのためです。

MXレコード

MXレコードは、メールを配送する先(メールサーバー)を指定するレコードです。配送の優先度を表す「プリファレンス」という数字があり、配送先が複数あるときは、より小さな数字のほうが優先されます。

メールの受け取りに使うサービスを変えるときは、このレコードを新しいサービスの案内どおりに変えます。古い配送先を残したままにすると、メールが意図しない所へ届くことがあるので、今の設定と見比べます。

TXTレコード

TXTレコードは、任意の値を保持するためのレコードです。JPRSの用語辞典では、迷惑メール対策のSPFやDKIMで、設定内容や公開鍵を書くときにTXTレコードを使うと説明しています。

1つのドメインに、目的の違うTXTレコードが並ぶことがあります。どれが何のためのものかを控えておかないと、消してよいかが分からなくなります。メールの送信の認証の設定は、独自ドメインのメールアドレスの作り方で紹介しています。

NSレコード

NSレコードは、そのドメインのDNSの情報を管理する権威サーバー(権威DNSサーバー)を指定するレコードです。ほかのレコードは、ここで指定した権威サーバーに書かれたものが使われます。

そのため、NSを別のサービスに変えると、AやMXなどのレコードを管理する場所ごと変わります。変える前に、今のレコードをすべて新しい場所に作ってあるかを確かめます。

変えるときに気をつけること

DNSの設定は、変えた内容がサイトやメールにそのまま影響します。次の順で進めます。

  1. 控えを取る: 変える前に、今のレコードをすべて書き写します。種類・名前・値・TTLを残します
  2. 1つずつ変える: 目的の違うレコードを、まとめて変えないようにします
  3. 反映を待って確かめる: サイトの表示やメールの送受信を確かめます
  4. 戻し方を決めておく: うまくいかないときは、控えた値に戻します

すぐに反映されない理由

DNSでは、名前解決で得た情報を、キャッシュに一時的に保持して使い回します。JPRSの用語辞典では、TTLを、レコードをキャッシュに保持してもよい時間を秒単位で示す値と説明しています。TTLが残っている間は、古い情報が使われることがあります。

そのため、変えた直後は、見る人や場所によって、古い向け先と新しい向け先が混ざることがあります。どのくらいで切り替わるかは、設定や環境によって違うため、この記事では断定しません。

使わなくなったレコードを片付ける

外部のサービスの利用をやめた後も、そのために足したCNAMEレコードやNSレコードが残ったままになっていることがあります。JPRSの用語辞典では、指定先の実体が無くなったこのようなレコードは悪用されうるため、外部のサービスを解約するときは、設定したCNAMEレコードやNSレコードも削除する必要があると説明しています。

自分で変えるか、案内を待つかの判断

迷ったときは、「変えるレコードの役割と、元に戻す値を、自分で説明できるか」で決めます。説明できるなら、控えを取ってから自分で変えます。説明できないなら、使うサービスの案内やサポートで、変える内容を確かめてから進めます。

ドメインの移管や更新の前に、DNSの設定を書き写しておく理由は、独自ドメインの更新と移管の前に確かめることで紹介しています。ドメインの選び方から知りたいときは、独自ドメインの取得と選び方が参考になります。

つまずきやすいところ

  • 控えを取らずに変える: うまくいかないときに戻せません。変える前に、すべてのレコードを書き写します
  • すぐに結果を判断する: キャッシュに古い情報が残っていることがあります。時間をおいて確かめます
  • CNAMEに正式名を2つ書こうとする: 1つの別名に指定できる正式名は1つです
  • NSを変えて、ほかのレコードが消える: NSを変える前に、新しい管理先に同じレコードを作ります
  • 使わなくなったレコードを残す: 解約したサービスのためのCNAMEやNSは削除します

まとめ

  • DNSレコードは、ドメイン名に結び付けられた情報で、種類ごとに役割が決まっています
  • サイトはAとCNAME、メールはMX、送信の認証などはTXT、管理する所はNSで決まります
  • 変える前に今の設定を控え、1つずつ変え、反映を待って確かめます
  • 使わなくなったサービスのためのCNAMEやNSは削除します