この記事でわかること

  • サブドメインのしくみと、ドメイン名の中での位置
  • サブドメインで分けるかどうかの考え方
  • サブドメインを作るときに、DNSで設定すること
  • 使わなくなったサブドメインの片付けと、乗っ取りを防ぐための注意

独自ドメインを持っていると、ブログ、ネットショップ、外部のサービスなど、用途ごとにアドレスを分けたくなることがあります。そのときに使うのがサブドメインです。新しいドメインを取らずに分けられる一方で、作ったまま放っておくと、思わぬ危険につながります。

この記事は、ドメイン名とDNSを管理するJPRSの用語辞典をもとに書いています。各社の管理画面の操作と、設定が反映されるまでの時間は扱いません。

先に結論: 用途を決めて作り、やめたら消す

先に結論を書くと、分ける理由がはっきりしているときだけサブドメインを作り、用途と向け先を書き残し、使わなくなったらレコードを消します。 作るよりも、消し忘れのほうが危険です。

段階 確かめること
1. 分けるか 用途と理由
2. 名前 短く分かる
3. DNS 向け先の種類
4. 証明書 HTTPSで開く
5. 記録 用途と向け先
6. 片付け やめたら消す

サブドメインとは

JPRSの用語辞典では、ドメイン名空間の中で、あるドメインに含まれているドメインを、そのドメインのサブドメインと呼んでいます。たとえば、自分のドメインの前に「shop.」を足したアドレスは、自分のドメインのサブドメインです。

ドメイン名は、ドット(.)で区切られた部分からできています。JPRSの用語辞典では、この区切られた1つ1つの文字列をラベルと呼び、1つのラベルは63文字以下と決められていると説明しています。サブドメインを作ることは、自分のドメインの左側にラベルを1つ足すことだと考えると分かりやすくなります。

また、JPRSの用語辞典では、トップレベルドメインまでのすべてのラベルを含むドメイン名をFQDNと呼んでいます。DNSの設定画面では、サブドメインの部分だけを入れる欄と、FQDNを入れる欄があるため、どちらを求められているかを確かめます。

分けるかどうかの考え方

サブドメインは、新しいドメインを取らずに、持っているドメインの下でアドレスを分けられます。分けるのに向いているのは、次のような場合です。

  • 別のサーバーやサービスで動かす: ネットショップや予約のサービスなど、今のサイトとは別の場所で動かすもの
  • 期間を決めて使う: 催しや特集のページなど、終わりが決まっているもの
  • 管理する人が違う: ほかの人やほかの会社に、その部分の運用を任せるもの

反対に、今のサイトの一部として記事を増やしていくだけなら、サブドメインに分けず、今のサイトの中の階層(サブディレクトリ)に置くほうが、管理する場所が増えません。新しく取るか、今のドメインの下に置くかの比べ方は、独自ドメインの取得と選び方で紹介しています。

管理を任せるときの「委任」

JPRSの用語辞典では、管理の対象の一部を別の管理者に委ねるしくみを委任と呼んでいます。サブドメインを作り、その管理を別の管理者に委任すると、ゾーンが2つに分かれ、委任した部分の管理・運用は別の管理者が行うことになると説明しています。外部のサービスから、サブドメインのNSレコードの設定を求められたときは、この委任に当たるかを確かめます。

サブドメインを作るときのDNSの設定

サブドメインは、持っているドメインのDNSに、サブドメインの名前のレコードを足して作ります。どのレコードを足すかは、向け先によって違います。

  • 自分のサーバーに向ける: JPRSの用語辞典では、Aレコードはドメイン名に対するIPv4アドレスを指定するレコードだと説明しています。向け先のサーバーのアドレスは、サーバー会社の案内で確かめます
  • 外部のサービスに向ける: JPRSの用語辞典では、CNAMEレコードは別名に対する正式名を指定するレコードで、名前解決で見つかると正式名に置き換えて続けると説明しています。外部のサービスでは、サービスが示す名前をCNAMEで指定するよう求められることがあります

JPRSの用語辞典では、1つの別名に対して正式名は常に1つで、2つ以上は指定できないとしています。同じサブドメインに、案内と違うレコードを重ねていないかも確かめます。レコードの種類ごとの役割は、DNSレコードの基本で紹介しています。

同じサーバーで複数のサブドメインを動かす

レンタルサーバーでは、1台のサーバーで複数のサブドメインのサイトを動かすことがあります。JPRSの用語辞典では、1台のサーバーで複数のドメイン名を運用する技術をバーチャルホストと呼んでいます。DNSでサーバーに向けるだけでなく、サーバーの側でもサブドメインを追加する設定が要るため、サーバー会社の案内で手順を確かめます。

HTTPSの証明書

サブドメインのサイトをHTTPSで開くには、そのアドレスで使える証明書が要ります。JPRSの用語辞典では、一番左のラベルにアスタリスクを指定したワイルドカード証明書を、同じ階層のサブドメインだけが異なるすべてのサーバーに入れられると説明しています。作った後は、ブラウザーで https:// から開き、警告が出ないことを確かめます。

使わなくなったサブドメインを片付ける

サブドメインで一番気をつけたいのが、使わなくなった後です。JPRSの用語辞典では、CDNやWebサービスのために設定したサブドメインのDNSの設定が、利用をやめた後も残っていると、ドメインの管理権限を持たない第三者がそのサブドメインを乗っ取る攻撃(Subdomain Takeover)に使われることがあると説明しています。

防ぐ方法は、次のとおりです。

  1. サービスを解約するときに、レコードも消す: JPRSの用語辞典では、サイトの公開を終えるときに、サービスの解約に加えて、公開のときに設定したCNAMEレコードやA/AAAAレコードも忘れずに削除することを、根本的な対策に挙げています
  2. 委任したものも見直す: 外部のサービスのためにNSレコードを足した場合も、やめたら削除します
  3. 一覧と見比べる: DNSの設定にあるサブドメインと、今使っているサービスの一覧を見比べ、使っていないものが残っていないかを確かめます

JPRSの用語辞典では、事業者の側でも、利用者のドメインの管理権限を確かめるなどの対策をしている場合があるとしています。ただ、それに頼らず、自分の側でもレコードを消しておきます。

作るときに書き残しておくこと

サブドメインは、作った人が忘れると、何のためのものか分からなくなります。作るときに、次のことを書き残しておきます。

  • 用途: 何のために作ったか
  • 向け先: どのサーバーやサービスに向けたか、どの種類のレコードか
  • 担当: 誰が管理しているか、どのサービスの契約か
  • 終わりの予定: 期間を決めて使うなら、いつまでか

書き残しておくと、ドメインの移管やDNSの引っ越しのときにも、設定を写し忘れにくくなります。

自分で作るか、相談するかの判断

迷ったときは、「向け先のサービスの案内に、足すレコードの種類と値が書いてあるか」で決めます。書いてあれば、案内のとおりに自分で足し、書き残しておきます。

NSレコードで管理を任せるように求められたとき、メールに使っているドメインの設定を変えるときは、影響が大きいため、ドメインを管理しているサービスのサポートか、サービスの提供元に確かめてから進めます。メールの設定は、独自ドメインのメールアドレスの作り方で紹介しています。

つまずきやすいところ

  • 名前の欄に入れる形を間違える: サブドメインの部分だけを入れるのか、FQDNを入れるのかを確かめます
  • サーバーの側の設定を忘れる: DNSだけでは表示されません。サーバーの側でもサブドメインを追加します
  • 同じ名前にレコードを重ねる: 1つの別名に正式名は1つです。案内にないレコードを重ねていないかを見ます
  • 証明書を忘れる: https:// で開いたときに警告が出ないかを確かめます
  • やめた後にレコードを残す: サービスを解約したら、そのために足したレコードも消します

まとめ

  • サブドメインは、持っているドメインの左側にラベルを足したアドレスです
  • 別のサーバーやサービス、期間を決めた用途、別の管理者に任せる部分を分けるときに向いています
  • 向け先に合わせてAレコードやCNAMEレコードを足し、サーバーの側の設定と証明書も確かめます
  • 用途と向け先を書き残し、使わなくなったらレコードを消して、乗っ取りを防ぎます