この記事でわかること

  • WordPressの5つの権限グループ(管理者・編集者・投稿者・寄稿者・購読者)の違い
  • 人ごとに必要な最小限の権限グループを決める考え方
  • ユーザー一覧で今の権限を確かめ、追加・変更・削除する手順
  • 使わなくなったアカウントを見直すときに気をつけること

WordPressのサイトを家族や仕事の仲間、外部のライターと一緒に運営するようになると、「とりあえず全員を管理者にしておく」ことがよくあります。管理者はプラグインを入れたり、ほかのユーザーを削除したりできるため、必要のない人まで管理者にしておくと、まちがいやアカウントの乗っ取りのときに影響が大きくなります。この記事では、権限グループの違いと、人ごとに権限を決めて見直す手順を紹介します。

この記事の説明は、WordPress.orgの公式の資料をもとにしています(確認日は2026年10月22日)。管理画面の項目の名前は、WordPressの公式の日本語の翻訳に合わせました。どのプラグインやサーバー会社がよいかは扱わず、会社ごとの画面の手順も載せていません。

先に結論: 人ごとに、役目に足りる最小限の権限グループにする

先に結論を書くと、サイトの設定を変える人だけを管理者にし、ほかの人は記事の仕事に合わせて編集者・投稿者・寄稿者から選びます。 使わなくなったアカウントは、権限を下げるか、記事をほかのユーザーに割り当ててから削除します。

やること 権限グループ
サイトの設定 管理者
他人の記事も直す 編集者
書いて公開する 投稿者
書くだけ 寄稿者
プロフィールだけ 購読者

5つの権限グループの違い

WordPressの資料では、権限グループ(Role)は、サイトの中でユーザーができることとできないことを、サイトの持ち主が決めるための仕組みです。権限グループごとに、権限(Capability)と呼ばれる作業のまとまりが決まっています。1つのサイトのWordPressで使う権限グループは、次の5つです。

  • 管理者: 1つのサイトの管理の機能のすべてを使える人です
  • 編集者: ほかのユーザーの投稿も含めて、投稿を公開・管理できる人です
  • 投稿者: 自分の投稿を公開・管理できる人です
  • 寄稿者: 自分の投稿を書いて管理できますが、公開はできない人です
  • 購読者: 自分のプロフィールだけを管理できる人です

複数のサイトをまとめて運営する「マルチサイト」には、ネットワークの管理の機能も使える特権管理者もあります。1つのサイトのWordPressでは、管理者が事実上の特権管理者になるとされています。

権限グループは「上下」ではなく「役目」

WordPressの資料では、ある権限グループを、ほかの権限グループより上の立場と考えないように書かれています。権限グループは、サイトの中でのその人の役目を表す、という考え方です。「信頼している人だから管理者」ではなく、「その人の仕事に何が必要か」で選びます。

手順1: ユーザー一覧で今の権限を確かめる

まず、今いるユーザーと、その権限グループを確かめます。WordPressの資料では、「ユーザー」の画面で、サイトのユーザーの追加・変更・削除ができるとしています。一覧には、ユーザーごとに次のような列があります。

  • 権限グループ: そのユーザーに割り当てた権限グループです。権限グループで、WordPressの中でできることが決まります
  • 投稿: そのユーザーが書いた投稿の数です。数を押すと、その人の投稿の一覧に移ります

一覧を見て、管理者が何人いるか、もう関わっていない人のアカウントが残っていないかを書き出します。

手順2: 新しい人は、役目に合う権限グループで追加する

ユーザーを追加する画面では、「権限グループ」をドロップダウンから選びます。WordPressの資料では、ここで最初に選ばれている値は、「設定」→「一般」の「新規ユーザーのデフォルト権限グループ」だとしています。

同じ「一般」の画面には、「だれでもユーザー登録ができるようにする」という設定もあります。WordPressの資料では、このデフォルトの権限グループは、新しく登録した人と、ユーザーの画面から追加した人の両方に割り当てられるとしています。だれでも登録できるようにしているサイトで、デフォルトの権限グループを管理者にしておくと、登録した人がみな管理者になってしまいます。デフォルトの権限グループは購読者のように、できることの少ないものにしておきます。

手順3: 使わなくなったアカウントを見直す

関わらなくなった人のアカウントは、そのままにせず、次のどちらかにします。

  • 権限を下げる: ユーザー一覧で対象の人にチェックを入れ、「権限グループを変更…」から権限グループを選んで変更します。WordPressの資料では、チェックを入れたユーザーをまとめて変えられるとしています
  • 削除する: その人の記事をどうするかを選んでから削除します

WordPressの資料では、ユーザーを削除するときに、その人の投稿とリンクをすべて削除するか、ほかのユーザーに割り当てるかを選びます。公開している記事を残したいときは、必ずほかのユーザーに割り当てるほうを選びます。削除の前に、サイトのバックアップを取っておくと、まちがえたときに戻せます。バックアップの取り方は、WordPressのセキュリティ対策の基本で紹介しています。

管理者を増やすかの判断

迷ったときは、「その人が、プラグインやテーマを入れたり、ほかのユーザーを変えたりする必要があるか」で決めます。必要が無ければ、記事の仕事に合う権限グループにします。

WordPressの資料では、1つのサイトの管理者は、本体・プラグイン・テーマの更新やインストール、ユーザーの作成や削除まで行えます。管理者のアカウントが乗っ取られたときの影響は大きいため、管理者は少ない人数にし、強いパスワードで守ります。ログインの守り方はWordPressのセキュリティ対策の基本、PHPのバージョンを上げる作業のように管理者が行う作業の例はWordPressのPHPのバージョンを上げる前に確かめることで紹介しています。

つまずきやすいところ

  • デフォルトの権限グループを高くしたままにする: だれでも登録できる設定と組み合わさると、登録した人に大きな権限が付きます。「設定」→「一般」の「新規ユーザーのデフォルト権限グループ」を確かめます
  • 削除のときに記事も消してしまう: 削除の画面で、投稿をすべて削除するほうを選ぶと、その人の記事も消えます。残す記事があれば、ほかのユーザーに割り当てます
  • 編集者が何でも書けることを知らない: WordPressの資料では、1つのサイトでは管理者と編集者に、投稿やページにHTMLやJavaScriptのコードまで書ける権限があります。信頼できない人に与えると、危ないコードや崩れたコードが書かれるおそれがあると注意しています。外部の人には、投稿者か寄稿者を選びます
  • 寄稿者が画像を載せられない: WordPressの資料では、寄稿者には画像などのファイルをアップロードする権限がありません。投稿者には、アップロードの権限があります。画像を使う記事を頼むときは、渡し方を先に決めます

これからWordPressでサイトを作る人は、最初の設定の流れをWordPressでブログを始める手順で紹介しています。

まとめ

  • 権限グループは上下ではなく役目で選び、サイトの設定を変える人だけを管理者にします
  • 記事の仕事は、ほかの人の記事も直すなら編集者、自分の記事を公開するなら投稿者、公開の前に確かめたいなら寄稿者にします
  • 「設定」→「一般」の「新規ユーザーのデフォルト権限グループ」は、できることの少ないものにしておきます
  • 使わなくなったアカウントは、権限を下げるか、記事をほかのユーザーに割り当ててから削除します