この記事でわかること

  • 自分のスキルのうち、何をサービスとして売れる形にするか
  • 対応範囲(どこまでやるか)の決め方と、決めておかないと起きること
  • 価格を決めるときの考え方
  • 説明文に必ず書いておきたい5つの項目
  • AIを使って作業する場合に確認しておくこと

副業全体の流れや仕事の種類については、AI副業の始め方完全ガイドで先に整理しています。この記事は、そこから一歩進んで「自分のスキルを商品の形にする」部分だけを詳しく扱います。

「できること」と「売れる形」は違う

副業を始めようとして最初につまずきやすいのが、自分にできることは分かっていても、それをどう売ればいいか分からないという点です。

依頼する側の立場で考えると分かりやすくなります。依頼する人が知りたいのは、おおむね次の4つだけです。

  1. 何をしてもらえるのか(成果物は何か)
  2. どこまでやってもらえるのか(範囲)
  3. いくらかかるのか
  4. いつ終わるのか

「Excelが得意です」では、この4つのどれにも答えていません。「毎月の売上表を、指定の書式に自動で整形するマクロを作ります。1本あたり◯日で納品します」であれば、依頼する側は判断できます。売れる形にするとは、この4つに答えられる状態にすることです。

依頼する側が何を見て判断しているかは、Excel自動化は自作と外注どちらにすべきかで発注側の視点として整理しています。売る側にまわるなら、一度読んでおくと相手の判断基準が分かります。

手順1: 売るものを一つに絞る

最初は対象を広げたくなりますが、絞った方が依頼は来やすくなります。 「何でもやります」は、依頼する側からは「自分の困りごとを解決してくれるか分からない」と映るためです。

絞り込むときは、次の順で考えると決めやすくなります。

  • 自分が実際にやったことがある作業を書き出す(仕事でも、個人的なものでも構いません)
  • そのうち人に説明できるくらい手順が固まっているものを選ぶ
  • さらに、繰り返し発生しそうな困りごとに対応するものを優先する

一度きりの特殊な作業より、多くの人が定期的に困っている作業の方が、依頼は安定します。

手順2: 対応範囲を決める(ここが最も重要)

ここを曖昧にしたまま始めると、ほぼ確実にトラブルになります。「含むもの」と「含まないもの」の両方を決めてください。

最低限、次の4つは先に決めておきます。

決めること 決めておかないと起きること
修正は何回まで含むか 何度でも直してもらえると思われ、作業が終わらない
納品の形式は何か 想定と違う形式で渡してしまい、作り直しになる
納期は何日か 「急ぎで」と言われ続け、他の予定が崩れる
どこからが追加費用か 途中で増えた作業を無償で引き受けることになる

特に修正回数は明記してください。「2回まで無料、それ以降は1回あたり◯円」のように書いておくと、お互いに判断しやすくなります。

手順3: 価格を決める

相場を調べることは有効ですが、相場に合わせて決めるのではなく、自分の下限を先に出してから相場と照らす方が失敗しません。

  1. その作業に実際に何時間かかるかを測る(初回は見積もりより長くかかります)
  2. 自分が納得できる時間単価を決める
  3. 1 × 2 に、やりとりの時間(質問対応・修正)を足す

これが下限です。相場がこれを下回る場合は、作業範囲を狭めるか、対象を変えることを検討してください。安さで競うと、作業量に見合わない依頼が集まりやすくなります。

最初の数件だけ実績作りのために低めに設定するのは一つの方法ですが、いつまでその価格でやるかを先に決めておくと、後から上げやすくなります。

手順4: 説明文に書くこと

説明文には、次の5つを必ず入れてください。

  1. 誰のための、何を解決するサービスか(冒頭の1〜2文)
  2. 成果物(何を、どの形式で渡すか)
  3. 含むもの・含まないもの(手順2で決めた内容)
  4. 納期
  5. 依頼時に用意してもらうもの(元データ、参考資料など)

5つ目は見落とされがちですが、これがないと着手できず、やりとりが増えます。「◯◯のファイルをご用意ください」と先に書いておくだけで、進みが変わります。

手順5: 見本を用意する

実績がない段階では、見本が実績の代わりになります。実際の依頼を待たずに、自分で題材を決めて一つ作ってください。

  • 依頼された場合と同じ手順・同じ品質で作る
  • ビフォー・アフターが分かる形にする(元の状態と、仕上がり)
  • 実在の企業名や個人情報は使わず、架空の題材にする

資料作成系であれば、AIで仕事のスライドを作る方法で扱っている作り方がそのまま見本作りに使えます。

AIを使って作業する場合に確認すること

AIを使って効率化すること自体は問題ありませんが、納品物として渡す場合には、事前に確認しておきたい点があります。

  • 利用しているAIサービスの規約: 生成物の商用利用がどう定められているかを確認してください
  • 依頼元の条件: 依頼する側がAIの利用可否について条件を持っている場合があります。 関わりそうな場合は、事前に確認・共有しておく方が安全です
  • 渡すデータの扱い: 依頼者から預かったデータを外部サービスへ入力してよいかは、 別途確認が必要です。預かりものである以上、自分の判断だけで外に出さないでください
  • 品質の確認は自分の責任: AIが出した内容をそのまま納品しないでください。 事実確認と最終チェックは、納品する人の仕事です

AIへの指示の出し方そのものについては、ChatGPTを仕事で使う方法で基本的な考え方を扱っています。

依頼が来ないときに見直すところ

出してみたものの反応がない場合、多くは次のどれかです。

  • 対象が広すぎる: 「誰の、どの困りごとか」をもう一段絞る
  • 成果物が想像できない: 見本を追加する、または成果物の説明を具体的にする
  • 納期が書かれていない: 依頼する側は予定を立てられないと判断できません
  • できないことが書かれていない: 一見不利に見えますが、書いてある方が安心されます

タイトルと冒頭の1〜2文で判断されることが多いため、まずそこを絞った表現に書き直してみてください。

まとめ

スキルをサービスにする手順は、次のとおりです。

  1. 売るものを一つに絞る
  2. 対応範囲を決める(含むもの・含まないもの。特に修正回数)
  3. 価格を自分の下限から決める
  4. 説明文に5項目を書く(解決すること・成果物・範囲・納期・用意してもらうもの)
  5. 見本を用意する

最初から完璧な形にする必要はありません。一度出してみて、問い合わせの内容を見ながら説明文を直していくのが現実的です。ただし、対応範囲と価格だけは、始める前に決めておいてください。この2つは後から変えると、進行中の依頼とのつじつまが合わなくなります。