この記事でわかること

  • Claude Codeのスキル(Skills)が何をするものか
  • CLAUDE.mdに書くこととスキルに書くことの分け方
  • スキルの置き場所と、SKILL.mdの作り方
  • Claudeに勝手に使わせない設定と、つまずきやすいところ

Claude Codeに作業を頼むたびに、同じ手順や注意をチャットに貼っていないでしょうか。この記事では、そうした説明をファイルにまとめておき、必要なときだけ読ませるスキルの使い方を紹介します。

参照したのは、Claude Codeの公式ドキュメント「Claude をスキルで拡張する」の日本語版です。原文には2026年10月28日に目を通しました。細かい上限の値や既定の動きは版によって変わることがあるため、この記事では書いていません。SKILL.mdの例は公式の書式に合わせて作ったもので、動かして確かめてはいません。

結論: 何度も貼る手順はスキルに、いつも守る決まりはCLAUDE.mdに

同じ手順を何度も頼んでいるなら、その手順をスキルにします。 公式の資料では、同じ指示やチェックリスト、何段階もある手順をチャットに何度も貼り付けている場合に、スキルを作るよう勧めています。

一方、どの作業でも守ってほしい決まりは、これまでどおりCLAUDE.mdに書きます。スキルは呼んだときに読ませる手順書、CLAUDE.mdは毎回読ませる決まりの紙、と分けると迷いにくくなります。

スキルとは: 呼んだときに読む手順書

スキルは、SKILL.mdというファイルに書いた指示を、Claudeが使える道具として加える仕組みです。使い方は2つあります。Claudeが話の流れから関係があると判断して読み込む方法と、自分で「/スキル名」と入力して呼び出す方法です。

以前からある「カスタムコマンド」(.claude/commands/ に置くファイル)は、スキルにまとめられました。古い形式のファイルも引き続き動きます。これから新しく作るなら、補助のファイルを一緒に置けるスキルの形が勧められています。

CLAUDE.mdとの違い

違いは、読み込まれるタイミングです。公式の資料では、CLAUDE.mdの内容とは違い、スキルの本体は使うときにだけ読み込まれると説明しています。長い参考の資料をスキルに入れておいても、使わない間はほとんど負担になりません。

項目 CLAUDE.md スキル
読み込まれるとき 会話のたびに読まれる 呼んだときに本体が読まれる
向いている内容 いつも守る事実・決まり ときどき頼む手順・チェックリスト
呼び方 自動 Claudeが選ぶか、自分で /スキル名

ただし、何もしなくてもスキルの説明(description)だけは、Claudeが使えるものを知るために、ふだんから読み込まれています。説明は短く、何をするスキルで、いつ使うのかが分かるように書きます。CLAUDE.mdに何を書くかは、CLAUDE.mdの書き方で紹介しています。

スキルの置き場所

スキルは、置く場所によって使える範囲が変わります。よく使うのは次の2つです。

  • 自分用(個人): ホームフォルダの ~/.claude/skills/<スキル名>/SKILL.md 。このパソコンのすべてのプロジェクトで使えます
  • プロジェクト用: プロジェクトのフォルダの .claude/skills/<スキル名>/SKILL.md 。そのプロジェクトでの作業で使え、Gitに記録すれば一緒に作業する人も使えます

ほかに、組織の管理者が配るものや、プラグインに入ったものもあります。まずは自分用か、プロジェクト用かを選べば足ります。

手順: 最初のスキルを作る

  1. スキルの名前を決め、置き場所にその名前のフォルダを作る
  2. フォルダの中にSKILL.mdを作り、先頭に名前と説明を書く
  3. 説明の下に、Claudeにしてほしい手順を短く書く
  4. Claude Codeを開き、「/スキル名」と入力して呼び出す。説明に合う頼み方をして、Claudeが自分で読み込むかも見る

フォルダの名前(または、先頭に name を書いた場合はその名前)が、入力するコマンドの名前になります。説明(description)は、Claudeがそのスキルを使うかどうかを決める手がかりになります。

自分用のスキルのフォルダを作るときは、ターミナル(macOSのターミナルなど)で次を実行します。フォルダを1つ作るだけで、ほかのファイルは変えません。

mkdir -p ~/.claude/skills/weekly-report

書き方の例: 週報の下書きを作るスキル

SKILL.mdは、2つの部分でできています。先頭の --- で囲んだ部分(フロントマター)に名前や説明などの設定を書き、その下に手順を書きます。次は、週報の下書きを作る架空のスキルの例です(動かして確かめてはいません)。

---
name: weekly-report
description: 今週の作業メモから週報の下書きを作る。週報や今週のまとめを頼まれたときに使う
disable-model-invocation: true
---

週報の下書きを、次の順で作る。

1. 今週の作業メモを読み、終わったこと・続いていること・困っていることに分ける
2. それぞれを3行以内にまとめる
3. 数字と日付は、メモに書かれているものだけを使う
4. 下書きを見せたところで止まり、送る作業はしない

フロントマターの項目は、どれも書かなくてもかまいません。公式の資料では、Claudeが使うタイミングを判断できるように、description だけは書くよう勧めています。フロントマターとして読まれるのは、最初の --- がファイルの1行目にある場合だけです。

手順の中の値を、呼び出すときに変えたい場合は、本文に $ARGUMENTS と書いておくと、「/スキル名」の後ろに続けて入力した内容に置き換わります。

Claudeが勝手に使わないようにする

ふだんは、自分もClaudeも、どのスキルでも呼び出せます。これを、フロントマターの2つの項目で絞れます。

  • disable-model-invocation: true: Claudeは自分からはそのスキルを呼び出せなくなります。公開・送信・コミットのように、取り消しにくい作業や、始めるタイミングを自分で決めたい作業の手順に使います
  • user-invocable: false: 反対に、自分の「/」のメニューには出さず、Claudeだけが使います。コマンドとして実行するものではない、背景の知識を書いておくときに使います

上の週報の例は、送る前の下書きまでの手順ですが、いつ作るかを自分で決めたいので disable-model-invocation: true にしています。

補助のファイルを分ける

スキルのフォルダには、SKILL.mdのほかにファイルを置けます。長い資料や例の集まりを別のファイルにすると、SKILL.mdを要点に絞ったまま、Claudeが必要なときだけそれを読めるようになります。

補助のファイルを置いたら、SKILL.mdの中に、どのファイルに何が書いてあり、いつ読むのかを書いておきます。書いていないと、Claudeはそのファイルがあることを手がかりにできません。

SKILL.mdの本文も短く保ちます。公式の資料では、スキルが読み込まれるとその内容は後のやり取りでも会話に残り、行が多いほど負担が続くとしています。なぜそうするかより、何をするかを書きます。

自分で作るか、今のままにするかの判断

目安は、「同じ説明を、ここ数回の作業で何度も貼ったか」です。何度も貼っていて、毎回ほぼ同じ文なら、スキルにすると手間が減ります。一度しか頼まない作業や、毎回中身が大きく変わる作業は、チャットでそのつど頼めば十分です。

決まりを必ず守らせたい場合は、スキルだけに頼らないことも考えます。公式の資料では、毎回必ず守る必要があるルールは、そのたびに自動で動く「フック(hooks)」に移すよう勧めています。権限や本番の環境に関わる設定を変える前は、チームや管理している人に相談します。

つまずきやすいところ

  • Claudeがスキルを使わない: 説明に、ふだん自分が頼むときの言葉が入っているかを見直します。それでも使われないときは、「/スキル名」と入力して直接呼び出します
  • 1行目に --- が無い: 最初の --- が1行目に無いと、ファイル全体が本文として扱われ、名前や説明の設定が効きません。フロントマターの書き方がくずれている場合も、「/スキル名」では動くのに、Claudeが説明と照らし合わせられなくなります
  • 新しく作った置き場所のスキルが出てこない: 会話を始めたときに無かったスキルのフォルダ(~/.claude/skills/ など)を新しく作った場合は、/reload-skills を実行します。それまであったフォルダの中のスキルを直したときは、起動し直さなくても反映されます
  • 途中からスキルに従わなくなる: スキルの内容は呼んだときに会話に入り、後で読み直されません。会話が長くなって圧縮された後は、もう一度呼び出します。大事な指示はSKILL.mdの上の方に書いておきます
  • 取り消しにくい作業をClaudeが始めてしまう: 公開や送信の手順のスキルには disable-model-invocation: true を付け、自分で呼んだときだけ動くようにします。長い作業の区切り方は、Claude Codeで長期プロジェクトを進める方法も参考になります

調べものや確かめの作業を、別の作業場所で進めて結果だけ受け取りたいときは、スキルではなくサブエージェントが合うこともあります。違いはClaude Codeのサブエージェントの使い方で紹介しています。まだClaude Codeを使い始めたばかりなら、Claude Codeの始め方から読むと流れがつかめます。

まとめ

  • スキルは、SKILL.mdに書いた手順を、呼んだときにClaudeに読ませる仕組みです
  • いつも守る決まりはCLAUDE.md、ときどき頼む手順やチェックリストはスキルに分けます
  • 置き場所は、自分用なら ~/.claude/skills/、プロジェクト用なら .claude/skills/ です
  • 説明(description)には、何をするスキルで、いつ使うかを、ふだん頼むときの言葉で書きます
  • 取り消しにくい作業の手順には disable-model-invocation: true を付け、自分で呼んだときだけ動かします